乳幼児のとびひにまつわる5つの疑問

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毎年暑くなってくると、とびひになってしまう子が増えます。

真っ赤になって痛くてかゆそうな様子は、見ている方もつらいですね。

最近は暖房の影響で冬にとびひにかかってしまう子も増えているとか。

そんなとびひについての、素朴な疑問5つにお答えします。



とびひはうつる?うつらない?

とびひはうつります。
とびひの正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言い、名前の通り「伝染性」の病気です。

とびひを触ったりひっかいたりした手には、細菌がうじゃうじゃいます。
肌に傷口や湿疹などがある場合、細菌が皮膚の中に入って、次のとびひができます。
自分自身の皮膚の中に入れば、とびひが増えるし、友だちの皮膚の中に入れば、とびひがうつることになります。

ただ、インフルエンザなどと違って、細菌が皮膚の中に入りこまなければうつらないので、とびひの部分をしっかりおおっていれば、うつることはありません。

http://www.photo-ac.com/

とびひになっても、幼稚園に行ってもいい?

とびひは、学校保健安全法で「学校感染症」の第三種の「その他の感染症」として、「学校において予防すべき感染症」に分類されています。
子どもがよくかかる「水いぼ」や「手足口病」と同じ分類です。
第二種のインフルエンザなどのように出席停止になることはありません。

日本皮膚科学会・日本小児感染症学会などは、とびひの部分をしっかり処置しておおっていれば休む必要はない、という統一見解を平成22年7月に発表しています。
ただ、とびひの範囲が広い場合や全身症状がある場合は、学校を休んで治療する必要があるとのことです。

https://www.dermatol.or.jp/modules/publicnews/index.php?content_id=1

とびひのときに、プールに入っていい?

プールは塩素で消毒されるから平気!返って良くなるかも。
などと言う人もいますが、一般的には禁止です。

確かにとびひの人と同じプールに入っただけではうつらないようです。
ただ、知らぬ間にとびひにさわったり、とびひから出た細菌にふれてしまうと、うつってしまいます。
とびひで学校に行く場合に、ガーゼなどでおおうことが前提なのはこのためです。

日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会は、平成27年5月に統一見解を発表し、「触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プー ルや水泳は治るまで禁止」としています。

http://www.jocd.org/pdf/20130524_01.pdf

とびひは病院に行かなくても治る?

とびひは病気のもとになっている細菌をなくせば完治します。
なので、きれいに洗って消毒をすることと、その細菌に効き目のある抗生物質とステロイド剤を飲んだり塗ったりすることが有効な治療法になります。

ごく初期の軽いとびひなら、清潔にして市販薬を塗ってさわらないようにしていれば、治ることもあります。
でも小さな子どもの場合は、かゆみをがまんできず、かきこわして悪化させてしまう場合が多いので、たいしたことないと思っても、病院に行く方が無難です。

とびひを兄弟にうつさないようにするにはどうすればいい?

子どもがとびひになってしまったら、幼稚園でうつさないように気をつけますが、家庭内でもうつさないように注意が必要になります。

虫刺され・あせも・アトピー性皮膚炎・けがなどで、肌が荒れて傷があるような状態だと、そこから細菌が入ってとびひになるので、接触しないようによく見てあげます。
お風呂で湯船につかる場合は、とびひの子は最後に入ってもらう方が安心です。
使用したタオルや衣類には細菌がついている場合があるので、すぐに洗います。
手をきれいに洗うなど、衛生面に気をつけます。
少しでも疑わしい症状が見られたら、早めに病院に連れて行ってあげます。

とびひは清潔にしてガーゼでおっていればうつらないので、神経質にならなくても大丈夫です。
病院で処方された薬をしっかり使って、先生の指導を守って、家庭内で感染しないように気をつけながら、早く完全に治してあげましょう。

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