愛着障害の原因と治療方法。発達障害とはここが違います

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「愛着障害」あまり聞きなれない言葉です。

しかし今、愛着障害に陥っている子供が増えてきているようです。

愛着障害とは、幼少期の親との関わりが原因で起こるといわれています。

では一体何が原因なのか、詳しくまとめてみました。



愛着障害とは

愛着障害とは、幼児期の発育環境の影響による障害です。
乳幼児期に親や養育者との関係で、甘えたい時期に甘えることができなかったことで愛情関係がうまく形成されず、その子供が自分の感情や欲求、行動をうまくコントロールできなくなるものです。
アスペルガー症候群・ADHD・自閉症などの先天性の発育障害に似た症状があり、間違われる事があります。
しかし愛着障害と発達障害の見分けや診断は線引きも難しいとされています。

愛着障害になる原因

乳幼児期に親や養育者からの愛情を満足に与えられなかったことが原因とされています。
そのパターンは虐待・ネグレクト・親の離婚・親の病気・親との死別・共働きなど様々です。
すべてに愛情がかけているわけではありませんが、子供の心の発育には大きな影響を与えてしまうようです。
また愛情を多く注いでも、親の気まぐれで態度が一変してしまうことにも同じようなことが起こる可能性があります。

愛着障害の症状

相手との距離やその縮め方がわからずに、コミュニケーションをうまく取れません。
スキンシップを嫌がったり、殻にこもったりするようになります。
そして自分の気持ちや欲求の伝え方や表し方がわからず、かんしゃくや感情的な行動をとってしまうこともあります。
また自分と全く関係のない人に対して、友好的な行動をとったり、会って間もない人に馴れ馴れしく接してみたりすることもあります。
この行動も、人との距離感を理解していないことから起こるのです。
愛着障害は幼少期の環境による障害ですが、放置しておくと大人になっても改善されず進行してしまうことがあります。
その場合、社会に適応するのも難しくなってしまいます。

愛着障害の治療

一番の方法は幼少期に与えられなかった愛情を取り戻すというものです。
親や養育者に、小さい頃にできなかった甘えやわがままをもう一度やり直してもらうことで、幼少期からの「育て直し」を図ります。
時間はかかりますが、幼少期の愛情を一つずつ埋めていくことが治療となります。
しかし愛着障害に陥っている子供に対し、その環境を作った親や養育者が子供の異変に気付くのは難しいところです。
また大人になってもこの方法は有効に作用すると考えられています。
良きカウンセラーを見つけて、心のケアをしていきましょう。

そうなる前に気をつけること

幼少期の親との関係は子供の発育にとって、とても重要です。
愛情を与えていると思っていても、目の前の子供の様子の変化や言動に気付いたときは、もう一度しっかり子供と向き合うことが大切です。
子供に愛情を注ぎ、愛されているという実感、安心感を与えましょう。
親の大きな愛情の中で、子供は健やかにのびのびと成長していくことができます。

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