ペットと子供が同居する際に移りやすい病気と注意点まとめ

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動物から人間にうつる病気を、人畜共通感染症、もしくは動物由来感染症といいます。

世界中で150種類以上、日本でも数十種類あるといわれていますが、症状は病原体によりさまざまです。

ペットを飼っている妊婦さんや赤ちゃんの場合は、影響がないかどうか心配ですよね。

ここでは、ペットからうつるおもな病気と注意点をまとめてみました。



イヌ

[イヌ回虫症]
子犬に寄生する回虫の幼虫が、肝臓や肺、筋肉や眼に入り込んで起こる病気です。犬のフンや身体についた卵が人の手などに付着し、口から入ることによって感染します。
獣医さんで犬のフンを検査してもらい、犬回虫の卵がみつかったら駆虫剤を使って駆除しますが、この薬は胎児に影響するため、妊婦や妊娠の可能性がある女性には使えません。

[皮膚糸状菌症]
簡単に言えば、皮膚にカビが生えてしまう病気です。
動物の場合は、その部分の毛が円形に抜けてしまいます。人間が感染した犬や猫などに触って菌が付着すると、赤みが出てきて、水ぶくれになる場合もあります。
他の動物との接触をなるべく避け、ペットの皮膚を清潔に保つことが大切です。

ネコ

[ネコひっかき病]
猫にひっかかれた傷やかまれた傷から感染し、リンパ節の痛みやはれ、発熱などの症状が出ます。日本では1割の猫が菌を保有していると考えられ、特に子猫からの感染に注意が必要です。
もしもひっかかれた時には、傷をきちんと消毒しましょう。子どもの場合は重症化するケースもありますので、その時はすぐに受信を。

[トキソプラズマ症]
日本でも成人の2~3割が陽性といわれていますが、妊娠初期に初めて感染すると、胎児が先天性トキソプラズマ症になる可能性があります(最近のデータでは日本の場合、約0.05%です)。そのため妊娠中の検査で陽性が出た場合は、さらに詳しい検査を行って、最近の感染か古い感染かを調べます。
猫のトイレは毎日掃除をして手袋の着用や十分な手洗いを励行する、妊娠中に新しい猫を飼い始めない、飼い猫は外飼いしない、などに注意しましょう。

小鳥

[オウム病]
クラミジア菌に感染した小鳥(インコやハト、オウムなど)の排せつ物や羽毛から感染する、肺炎を主体とした急性感染症です。
軽症のインフルエンザに似た症状で高熱や咳、頭痛が多くみられます。
鳥類はクラミジア菌を保有していることが自然であり、常に感染源となるわけではありませんが、小鳥が弱っていたり元気をなくしているようなら注意し、特に死んだ時には死体にさわらないようにしてください。
エサの口移しなども、やめるようにしましょう。

ミドリガメ

[サルモネラ症]
サルモネラ菌といえば、汚染された食肉や鶏卵などから感染して食中毒を起こすことで知られていますが、ミドリガメなど爬虫類の50~90%が、サルモネラ菌を保有しています。
カメを直接さわったり、飼育水や飼育箱の掃除で手に菌が付着すると、口から入って感染します。おう吐、腹痛、下痢など急性胃腸炎の症状がみられますが、子どもや高齢者ではまれに重症化する場合もあります。
カメや水槽の水に触ったら、必ず手を洗いましょう。犬、猫のフンからも感染することもあるそうです。

いつも清潔に

家族のようにして暮らしてきたペットを、人間だけの都合で手放すのはあまりにも身勝手で寂しいことです。
こまめに掃除機をかけ、ペットをさわったあとは必ず手を洗い、口移しではエサを与えない。室内はもちろん、ペット自身も清潔を保てるようにしてあげる。
アレルギーがある場合などをのぞけば、飼い主さんがちょっと気を付けてあげるだけで、問題なく暮らしていけるはずです。
パパやママが愛情をもってペットを育てれば、自然と子どもたちにも、生き物を大切に思う気持ちが育っていくことでしょう。

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