出産を終えて・・・「異常分娩」?鉗子分娩ってどんなもの?

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「鉗子分娩」・・・聞いたことはありますか?

なかなか降りてこない赤ちゃんを鉗子分娩で出産した私。

鉗子分娩は自然分娩だと思っていた私が、出産後母子手帳を開くとそこに書かれていた文字は「異常分娩」。

鉗子分娩の体験談と息子の様子をお伝えします。



鉗子分娩ってなに?

鉗子分娩とは、「鉗子」という金属製の2枚のヘラを組み合わせたハサミのような器具です。
これを赤ちゃんの頭(耳の上あたり)を両側から挟んで引き出します。
吸引よりも鉗子での索引の方が確実で優れているけれど、鉗子の器具の取り扱いや操作が難しく、用いる病院が減ったことが要因です。
そのため現在では鉗子分娩よりも吸引分娩の方が多く用いられています。

実際に私が出産した産院では鉗子分娩は普通に行われていましたが、のちに聞いたところ、私の住む地域の他の病院ではほぼ行われていないとのことでした。
私の担当の医師は鉗子分娩を得意とする医師で業界では有名だったそうです。

どんな時に鉗子分娩になるの?

・子宮口が全開しているが、胎児が下がってこないで分娩が進行しない場合。
・母体の疲労が著しい場合。
・微弱陣痛の場合。
・胎児の回旋異常の場合。
・胎児が仮死状態におちいる可能性がある、またはおちいっている場合。
(吸引分娩と併用されることもあります)

私の場合は破水→微弱陣痛→子宮口全開だけれども赤ちゃんが下降して来ない&回旋異常であり、吸引では不可能と判断され、鉗子分娩になりました。
立ち会った主人の話では、鉗子分娩になります、との話があったそうですがその時点で36時間以上陣痛と闘っていた私にはまったく聞こえていませんでした。

鉗子分娩における赤ちゃんへの影響

鉗子という器具を頭部に挟むことになるため、扱いによっては顔や頭に傷ができたり、顔面神経麻痺や頭蓋内出血、頭血腫などが起こる場合もあります。
これらに伴って、黄疸、嘔吐などの症状が出ることがあります。

鉗子分娩における母体への影響

鉗子の器具を入れるため、以下のような影響を受けることがあります。
•会陰裂傷
•頚管裂傷
•尿道膀胱裂傷
•出血
など。

私の場合は、鉗子を入れる直前に局部麻酔をした感触と、会陰切開をしたパチパチという音を覚えています。
赤ちゃんが産まれる瞬間よりも、鉗子を入れる際に会陰を両側に引っ張った痛みがすごく、産まれる瞬間の痛みがそう強く感じませんでした。
会陰切開を普通分娩よりも少し多めにしていたので、出産後に縫っている時もチクチクと痛みを感じました。

鉗子分娩を終えて

私の場合ですが、赤ちゃんの両耳の少し上あたりに鉗子を挟んだと思われる赤いアザのようなものができていました。
長方形で1センチ程度の四角いアザでしたが、数日で消えました。
その他の赤ちゃんへの影響は特に感じられませんでした。

私自身は、子宮の戻りや会陰切開後の回復は順調でした。
しかし会陰を開いた時の影響なのか、普通分娩の人ならば1週間~1ヶ月で傷口は痛くなくなる、と聞いていたのですが痛みが引くまでに2ヶ月はかかりました。
お尻に力を入れると痛いので、くしゃみや便の時が辛かったです。
お尻が痛いことから便が辛いため、便を柔らかくする薬を処方してもらっていました。

鉗子分娩を終え、母子手帳を見て「異常分娩」と書かれていたことには多少のショックを受けましたが、現在2歳になる息子も私もその影響はまったくありません。
鉗子分娩の得意な医師が担当で本当に良かったと思っています。

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