子供の急な発熱で慌てないために覚えておきたいこと

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発熱をきっかけに小児科を受診される患者さんの割合は8割だそうです。さっきまで元気に遊んでいた子供が、身体を触ってみるとなんとなく熱い。特に小さな年齢のお子さんが急に熱を出すと親はビックリしてしまいます。風邪からくる発熱の症状なのかもしれないし、もしかすると別の病気かも知れないし…などと心配になってしまいます。特にそれが夜間であったりすると、更に不安が募って夜間救急を受診したほうがよいのかそれとも明日まで待って掛かりつけの小児科を受診したほうがよいのか、落ち着かない気持ちになったママも多いのではないでしょうか。特に育児初心者のママに読んでいただけたらと思います。



日頃から、子供の平熱を知っておく

子供を保育園に預けたり、幼稚園に行くようになったりすると、毎朝子供の熱を測ってから家を出ることになります。しかし、1歳未満の子供やまだ幼稚園入園の年齢に達していない月齢の子供を家で育てている場合には、つい子供の熱を測るということを忘れてしまうことがあります。
日頃から子供の熱を測る時間帯というのをおおよそ決めておき、記録しておくことをおススメします。そうやって子供の平熱を知っておくことが大事なのです。熱が高く出ているのかということをその子供の平熱をもとに判断するからです。例えば体温計で測ってみて37.5℃だったとします。平熱が36.4℃の子供であれば1℃高いことになり、平熱が37.2℃の子供であれば0.3℃だけ高いということになるのです。また発熱は月齢や測る時刻、測り方によっても変わってきます。子供は年齢が低いほど体温は高いものです。平熱は、朝が低くて午後からは高くなります。

発熱に備えて、普段から常備しておいたほうが良いもの

とにかく、子供はいつ熱が出るかわかりません。特に夜中に急に熱が上がったりした場合は、必要なものを買いに行くにも開いている店を探さなくてはならなかったりします。そこで発熱に備えて、普段から買い置きしておけばいざという時に対応できるのです。主なものとして、熱を冷ますためのジェル状シート・各種サイズの保冷剤・水分補給用のイオン飲料などです。この中でも特に水分補給用のイオン飲料は欠かせません。発熱時には食欲がなくなって体内の水分も減ってしまいます。そのため必要な栄養素などが入っているイオン飲料が適していると思われます。

熱が出る原因を知っておくと良い

子供は本当によく熱を出しますが、それは身体の中の抵抗力がまだ弱いためなのです。子供の発熱はほとんどが感染症で、細菌とウイルスでは圧倒的にウイルスの方が多いのです。体内に何らかの病原体が侵入することによるもので、病原体をやっつけようとして体内で免疫反応が起こります。つまり身体が熱を発して病原菌と戦っているのです。感染症の多くは、自然と治っていくものです。そうやって何度も熱を出すということを繰り返していく中で、徐々に体内に免疫ができていくのです。

緊急を要するような発熱

しかし、感染症以外でも熱を出す場合があります。一般的なものでは、子供に起こる発熱の疾患の一つとして、川崎病というものがあります。この疾患はいまだに原因が解明されていない病気です。そのほかにも、夏であれば熱中症や脱水によっても発熱したりします。また、リウマチや白血病などでも長期に渡って熱が続きます。このように例を挙げた病気には、熱だけではなく必ず他に何らかの別の症状を伴っています。発熱は、熱があることよりも、体内で熱を出させているその原因が問題になってきます。熱が出てその後合併症などによって重症化してしまうこともあるため、様子を見て医療機関を受診することが必要になってきます。

医療機関を受診する目安として

子供に熱が出て慌てて病院に行く前に、ちょっとだけ冷静に考えることも大切です。発熱はだいたい1~2日で下がることが多く、熱が出てすぐの状態だと病院に行っても病気の判断がつきにくいことが多いのです。インフルエンザなどウイルス性の感染症が原因の場合には、熱が出て24時間経過後でないと結果が出ません。ですから熱以外の症状が特にないような場合だと、薬も処方されずにそのまま帰宅するようなことになります。ママも大変ですが、熱が出ている子供が一番つらい思いをすることになりますし、病院の待ち時間の間に他の感染症をもらってしまう可能性もあるので、熱が出た初日はとにかくイオン飲料などで水分補給をしてあげて、自宅で暖かくして身体を休めてあげるのが良いのです。そして熱が出てから二日目もしくは三日目くらいになったら医療機関を受診する目安としてみてはいかかでしょうか。これらのことを頭に入れておくと子供の体力の消費を抑えることもできます。
ただし、以下の場合には様子を見て医療機関を受診することが大切です。三日以上熱が下がらなかったり、下痢や咳がひどいような時には合併症を起越している可能性もあります。また、一歳未満の子供は熱が出ることで体力の消耗が激しくなり脱水を起こしたりすることもあるので、病院で点滴などを打ってもらうということも必要になる場合があります。
また、熱が出てから顔色が悪くなったり、水分さえも摂れない様な状態や、咳で眠れなかったり、下痢・嘔吐が続くような場合、痙攣を起こして10分以上続いたりまたは痙攣を繰り返す場合のときは緊急で受診したほうが良いかもしれません。

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