モンテッソーリの「敏感期」の考え方と関わり方

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子どもには何かに強く興味を持ち、集中して同じことを繰り返す時期があります。このような時期をモンテッソーリは「敏感期」と呼んでいます。この「敏感期」を味方につけると、子どもの行動に納得でき、安心感が生まれ、子育てを楽しむ気持ちの余裕も生まれます。ここでは、その時期の子どもの発達を5つ挙げ、その発達に合った関わり方をまとめています。



言語ーいちばん長い敏感期ー

言語の敏感期は一番長く、胎内にいるときから始まっています。赤ちゃんが特別な訓練を受けなくても言語を習得できるのは、この敏感期のおかげです。親、特に母親の方言、アクセント、イントネーションも吸収するので、この時期は子どもにどんどん話しかけてあげることが大切です。

感覚ー源体験は知性の源ー

感覚の敏感期にいる子どもは、いつか何か手で触ったり、においをかいだりと五感をフルに活用しています。この時期の子どもには、映像から来るバーチャルな体験ではなく、実際に触ったりにおったりするという源体験が必要です。この時「これ、ザラザラしてるね」「ここ冷たいね」などと言葉を添えると、感覚と言語が一致します。子どもの中で言葉が整理され、将来自分の感じたことを他人に伝えられるようになります。多くの感覚的体験は、「自分の意見をもつ」という、知的自立の基礎を築いてくれます。

離乳ー離乳は自立の一歩ー

生まれてから母親に寄り添い、母乳やミルクを飲んできた赤ちゃんは、5カ月頃から周りの人が食べているものに興味を持ち始めます。離乳の時期子どもは、母親と対面で食事を与えられること「お母さんと自分は別々」という事実に気付きます。そのことから、離乳は精神的な自立の一歩と言えます。
何かを食べさせたり飲ませたりする時は、スプーンを口に押し込むことはせずに、下唇にトントンと当てるくらいにし、子どもが自分から食べるのを待ちましょう。

ちいさなものーすばらしいミクロの世界ー

鋭い観察力が出てくる時期になると、絵本の隅っこに描かれた小さなアリを見つけて指さしたりするなど、大人が見落とすようなことを発見したりします。これがちいさなものへの敏感期です。もし、道ばたで子どもがじっと動かなくなった時は、大人も少し目線を下げてみましょう。素晴らしいミクロの世界に気付けるかもしれません。

運動ーいろんなふうに動きたいー

運動の敏感期とは、スポーツ能力が発達するという意味ではなく、自分の意思で動くことへの興味が現れる時期です。
例えば、ハイハイができるようになると、それまでじっと見ているだけだった子どもが、興味のあるものに向かって動き出すようになります。この時、家の準備が整っていないと、危ないからとハイハイさせてあげられないこともあります。子どもの発達に合わせて環境を整えてあげることが大切です。

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