「VDT症候群」という言葉を聞いたことがありますか。
主にパソコンなどで仕事をする大人が発症する現代病ですが、子供にも見られるようになってきました。
長時間のゲームの影響で、目だけでなく精神にまで異常をきたすVDT症候群について調べてみました。
VDT症候群とは?
VDTとは、Visual Display Terminals(視覚表示端末)のことで、パソコンのディスプレイやスマホなどの表示機器がこれにあたります。
パソコンでプログラミングやデータの入力などの仕事をする人は、身体面・精神面に不調が表れることがあり、これを「VDT症候群」と言います。
長時間連続してVDTを見る作業を長期に渡って続けると、次のような症状が見られます。
・疲れ目・ドライアイ・近視・結膜炎
・肩凝り・腰痛・手のしびれ・慢性疲労
・イライラ・不眠
これらを防ぐため、DVT作業について、厚生労働省のガイドラインでは次のように示されています。
・1日の作業時間を短くする
・1回の作業が連続1時間を超えないようにする
・作業と作業の間に10分~15分の作業休止時間を設ける
・作業時間内に1~2回程度の小休止を設ける
テレビゲームでからだの調子が悪くなる
昔からテレビを長い時間見ると目に良くない、と言われてきました。
今の子供は、テレビ番組を見るだけでなく、テレビゲームやパソコン、スマホなどを使う場面がとても多く、「VDT症候群」になると言われています。
子供の場合は、熱中して長時間テレビゲームをするので、大人よりも影響を受けやすくなっています。
近視・ドライアイばかりでなく、めまいや吐き気まで起こすこともあります。
近視はゲームが原因と分かりやすいのですが、全身的な不調はゲームのせいだと気づきにくいので、特に注意が必要です。
パソコンで精神状態がおかしくなる
子供の場合、VDT症候群で体調不良になっているのに、そうとは気づけず、ちょっと回復するとまたゲームをしてしまいがちです。
また、大したことだと思わず、そのままゲームをやり続ける場合もあります。
ゲームは悪いと気づいてゲームをひかえても、パソコンやスマホなら大丈夫だと思ってしまい、長時間調べ物をしたり、メールなどをしたりする場合もあります。
ゲームに限らず、VDT機器を長時間見ていると、精神的にストレスがたまっていきます。
そうすると、抑うつ状態になるなどの病気を発症することがあります。
・理由もなくイライラする
・眠れない
・強い不安を感じる
このような症状が現れたら、早めに病院に行くべきです。
子供をVDT症候群にしないために気をつけたいこと
一度VDT症候群になると、治りにくく、辛い症状が長く続いてしまうので、予防が大切です。
子供をVDT症候群にしないためには、大人の協力が必要です。
次のような工夫をお試し下さい。
・メガネやコンタクトで、適正な視力に矯正する。
・お風呂は、ぬるめのお湯にゆっくりつかるようにする
・食事はしっかり栄養のとれるメニューにする
・外で遊ばせる
ビタミンE(血行促進)を多く含むアーモンド・たらこ・アボカドなど、カリウム・カルシウム(筋肉の動きをよくする)などを多く含む小魚・大豆・緑黄色野菜などを、毎日の食事やおやつに取り入れるとよいです。
子供がVDTを使う時に気をつけたいこと
ゲームやスマホをやめるのが一番良いのですが、今は子どもといえどもVDTなしの生活は難しいので、完全に取り上げるのではなく、悪い姿勢で長時間連続見続けることがないよう、工夫してあげましょう。
・VDTは目より低く目と40cm以上離れた位置で見る
・ゲームは1時間以内にやめる
・1時間遊んだら、10~15分間は目を完全に休める
・VDTを見ている間、時々軽いストレッチをする
・目薬をさす
目を休めるには、目をつぶるほか、遠くの木を見る、冷たいタオルや蒸しタオルを目に当てるなど。
ストレッチは、立ち上がって背伸び、屈伸、肩回し、腰のひねりなど。
使い続けると確実に体に悪いとわかっているのに、便利で手放せないものになってしまったVDT。
その悪影響は、これからもっと大きなものになるかもしれません。
子供の健康を守ってあげられるよう、悪い点をしっかり伝えて、できる限りの対策をしてあげたいですね。