人体に悪影響を及ぼすと言われている環境ホルモン。
私たちは環境ホルモンに囲まれて生活しています。
生まれたときから環境ホルモンにさらされている赤ちゃんや子供にどのような影響があるのでしょうか。
未来を背負う子供たちの体を守るにはどうすれば良いのでしょうか。
◇環境ホルモンによってメスがオスになる!?
貝類が船底に付かないようにと塗っていたTBT(トリブチルスズ)。
塗装によりスピードが出ることもあって、昭和40年頃から大量に使われました。
そのほか魚網や殺虫剤にも使用されていました。
TBTは、海水中にとけ出して、生物のからだに蓄積して分解されず、成長阻害などの原因となっています。
日本では、メスの巻き貝がオス化してしまう報告があり、1990年に規制されました。
現在、日本では劇薬に指定されています。
このTBTが、靴下やおしめカバーの殺菌剤としても使われていたというから驚きです。
もし、赤ちゃんにも巻き貝と同じような影響があったら・・・!?
恐ろしいです。
◇環境ホルモンによってIQが下がる!?
ごみを燃やすときに発生するダイオキシン。
ネズミを使った実験で発がん性があることがわかり、規制されています。
人に対しても発がん作用を促進することが分かってきました。
IQが下がるとか学習障害が起こるなどの影響も出ています。
最近の子供がすぐにキレるのも、ダイオキシンなどの環境ホルモンが原因ではないかと言われています。
たばこの煙や車の排気ガスにも含まれるので避けることが難しい物質です。
http://www.shikoku-np.co.jp/feature/rensa/4/12/
おなかの赤ちゃんが危ない!
ダイオキシンについては、動物実験でおなかにいる赤ちゃんにも影響が出ることが分かってきました。
おなかの中で受けたダイオキシンの影響で、学習能力の低下やウィルス感染抵抗性の低下がみられるようです。
まだ研究調査中ですが、生殖機能の異常などもみられるようです。
人間の場合、母親のおなかのなかで化学物質にたくさんさらされた赤ちゃんはIQが低いという論文がアメリカで発表されています。
プラスチック製品などに含まれる「フタル酸ジブチル」「フタル酸ジイソブチル」などという化学物質の影響によるものと言われています。
胎児の時にフタル酸ジイソブチルに多くさらされた赤ちゃんは、あまりさらされなかった赤ちゃんと比べて、7歳になったときのIQが7.6ポイント低いそうです。
IQが7.6ポイント低いと言われてもピンときませんが、勉強や仕事に影響が出るレベルだそうです。
大人では制汗剤や消臭スプレーを使ってかゆみや発疹がみられたという報告もあります。
http://www.afpbb.com/articles/-/3034054?ctm_campaign=txt_topics
◇環境ホルモンを避ける方法
☆食べる物に注意!
レトルト食品やスナック菓子には、香料や保存料がたくさん含まれています。
また、野菜も農薬や殺虫剤を使って育てたものは安全とは言えません。
環境ホルモンの含まれる食べ物はできるだけ選ばない方が無難と言えるでしょう。
☆食品の入れ物に注意!
缶コーヒーの缶・お弁当の入れ物・カップラーメンの容器は化学物質が含まれています。
安全基準は満たしているものの、長期間保存している間に溶け出しているという説もあり、避けた方が安心です。
☆レンジの「チン」に注意!
コンビニのお弁当を温めてもらうと、容器から化学物質が溶け出して食品に移るそうです。
冷たいまま食べるか、陶器やガラスの器に移してから温めると良いです。
ただし、温めるときにラップを使うと、ラップから化学物質が出る、という説もあるのでふたにも要注意です。
☆調理に注意!
食中毒を気にして使うビニール手袋は環境ホルモンを含んでいます。
きれいな手で調理する方が安全です。
野菜などのダイオキシンはしっかり水洗いして加熱すればかなり減らせるそうです。
☆香料や保存料に注意!
食料品以外にも多くの日用品に環境ホルモンが含まれています。
例えば、ヘアスプレー・芳香剤・マニキュア・口紅にも含まれているとか。
成分表示ではよく分からないので、人工的な香料が使われているものには気をつけた方がよさそうです。
◇環境ホルモンから赤ちゃんを守ろう!
今の子供たちはお母さんのおなかの中にいるときから、環境ホルモンにさらされています。
子供や赤ちゃんはとくに気をつけて避けるようにしなくてはいけませんが、もっと気をつけなくてはいけないのは、妊婦さんです。
ネズミの実験で、妊娠中にフタル酸ジブチルを投与すると、赤ちゃんの体重減少や奇形などの影響が出ることが分かっています。
人間の場合はまだはっきり分かりませんが、特に妊娠初期においては注意が必要になります。
赤ちゃんの、いろいろな器官が発達する時期は、できる限り環境ホルモンを避けましょう。
環境ホルモンについては、まだ分からないことが多いので、数年後にこれも悪かった!ということがあるかもしれません。
動物のように、オス化した女子や子供のできない男子が増えて、赤ちゃんができなくなる、などということには、ならないよう早い対策を願うばかりです。
せめて今分かっているものについては、できるだけ避ける生活を心がけたいところです。
妊婦さんはもちろん、妊娠する可能性のある女性はみんな気をつけたいですね。