母親にとってどのように叱ったらいいのかは悩みの種かもしれません。最大のポイントは、お母さんが感情的にならないことです。毅然とした態度で子どもに自分の気持ちをきちんと伝えましょう。日頃から「約束」をしておくことも大切です。ここではいくつかの場面での対処の仕方をまとめています。
電車内で大騒ぎ
電車内で子どもが大騒ぎしたら…。周りの目も気になるし、恥ずかしい。焦るあまり厳しくしかりつけたり、口をふさいでみたり…。これが続くと電車に乗るのが億劫になってしまったりします。こんな時は、日頃から家族で話し合い、子どもの発想を刺激するヒントをあげることが大切です。
「~してはいけません!」と頭ごなしに命令するのではなく、「~したらどう思う?」と、子どもがどう感じるかを考えられるような質問をしてあげましょう。子ども自身が、家と違う場所にいることを理解して、ここで騒いだら「イヤな思いをする人がいる」と想像できるようになれば、してはいけないことも自然と理解できます。そして、出かける前に改めてお約束をしておきましょう。
きょうだいゲンカばかり
さっきまで仲良く遊んでいたはずなのに、あっという間にケンカが始まってしまう…。きょうだいは助け合って欲しいのに、このままでは憎み合うようになるのでは…と心配になってしまうかもしれません。この時一番大切なのは、きょうだいのどちらが正しいかを決めないことです。
心配かもしれませんが、実はきょうだいゲンカは、社会性を育てるために必要なことでもあります。また、きょうだいゲンカには親の愛情の奪い合いという側面もあります。ケンカの時はお母さんはどちらかの味方をしない、どちらかが正しいというジャッジをしないこと。助け合っているとき、仲良くやっているときに注目して褒めてあげて下さい。
ケンカは親に見せるためにやっている場合が大半です。親がどちらにつくかの競争をしているので、「二人のケンカは見たくない!」と、その場を離れるのもいいかもしれません。
そして肝心なことは、どちらかに肩入れをせずに、どちらも「良い子だよ」と常に伝えていく姿勢を忘れないで下さい。
お店で「買って!買って!」
買い物中に、お菓子売り場で毎回「これ買って!」「昨日買ったから今日はなし!!」といった、買う買わないの戦い…。結局子どもの泣き声に負けて、欲しがるものを買ってしまうことも少なくないのではありませんか?もしくは、「買って!」と言ったとたん「だめ!早く置いてきなさい!」と叱りつけることもあるかもしれません。
どちらの場合でも、「おねだりすることは悪いこと」と決めつけていませんか?
子どもの「欲しい」という気持ちは好奇心の表れです。そして、「買って!」というのは、「おもしろいのあったよ!」という発見を伝えたいのです。このような子どもの気持ちを受け止めずに、否定ばかりしていると、子どもはショックを受けてしまいます。そんな時は、その場をしのぐのではなく、コミュニケーションを楽しむことが大切です。「そうだね、おいしそうだね。でも今日は買わないよってお約束したよね?」といった感じで、とりあえず一旦受け止めてあげ、そこから会話を楽しめるように自分たちに合ったやり方を見つけていきましょう。
お菓子ばかりでごはんを食べてくれない
子どもはお菓子が大好きです。せっかく栄養を考えて、愛情を作った料理を食べてくれないとがっかりしてしまいます。まずはどんな食生活になっているかを見つめるところから始めましょう。空腹は最高の調味料です。「お腹がすいた!」と感じて、だから「ごはんがおいしいんだ」ということに子どもが気付くように仕向けることがポイントです。そのために、食事の時間をコントロールしてあげましょう。それぞれの都合もあるかと思いますが、食事と食事の間が5~6時間、食事とおやつの間は2~3時間あけるようにしたいものです。できるだけ毎日の食事時間を決めて、規則正しく食べさせましょう。
まとめ
子どもを叱るときに心に留めておいて欲しいことは、くどくど感情的に叱らないことです。カーっとなって感情のままに怒鳴ったり、手をあげたくなったら、その前に深呼吸。つい叱りすぎてしまったと感じた時には、「強く言いすぎてごめんね」と素直な気持ちを伝えてあげてください。