妊娠中に感染すると胎児に影響を及ぼしてしまうウィルスがいくつかしられています。
また、赤ちゃんがかかると重症化しやすいウィルスも存在します。
ここでは、妊娠中と出産後に気をつけておきたいウィルスのなかから5つをピックアップしてご紹介します。
サイトメガロウィルス
サイトメガロウィルスはヘルペスウィルスの一種です。
通常は成長の過程で感染し、免疫を獲得しますが、妊娠初期に初めて感染すると、胎児に肝機能障害や難聴などの障害が出る場合があり、注意が必要です。
風疹
妊娠初期から20週までに初めて風疹に感染すると赤ちゃんが難聴や眼科疾患、心臓疾患になることがあります。
風疹の抗体検査は妊娠初期の血液検査で行う病院が多いと思いますが、この検査で抗体が少なかった場合は注意が必要です。
世代によって予防接種の受け方が異なり、現在、免疫を獲得していない人が多い20〜40代男性や20代の女性が子どもをもつ時期となっています。
妊娠を考えているのであれば、一度検査をして、抗体が少ない場合は予防接種を打っておくと安心できるのではないでしょうか。
トキソプラズマ
トキソプラズマは猫の糞や加熱が不十分な肉、土などを媒介します。
妊娠中の初感染で、まれに胎児に影響がでることも。
猫を飼っている場合などは糞の始末に注意が必要です。
可能であれば糞の始末は家族にお願いすることをおすすめします。
ただ、飼い猫の場合、すでに飼い主が免疫を持っていることも多いと言われていますので、必要以上に神経質にならなくてもいいかもしれません。
クラミジア
クラミジアはポピュラーな性病ですが、赤ちゃんが生まれるときに産道で感染すると新生児肺炎や結膜炎を引き起こします。
妊娠中の女性に感染があった場合には、出産までに完治を目指します。
女性は症状が出にくいため、なかなか気がつかないことが多いと言われています。
もし、パートナーの男性がクラミジアに感染していることが発覚した場合には、自身も必ず検査をしましょう。
RSウィルス
RSウィルスに大人が感染した場合、鼻風邪程度で済みますが、低月齢の赤ちゃんが感染した場合には肺炎や呼吸困難に陥ることがあるため、場合によっては入院が必要になることも。
最近は夏にも感染することがありますが、流行のピークは10月から3月までの寒い時期です。
また、RSウィルスの重症化を防ぐシナジスという注射があり、36週未満の早産や、心臓疾患のある赤ちゃんは公費の助成で打つことができます。
シナジスは毎月打つ必要があり、自費だと高額(赤ちゃんの体重などにもよりますが、流行期に毎月自費で注射をすると、合計で100万円程度かかると言われています。)になるので、満期産で健康に生まれてきた赤ちゃんはほとんど打つことはありません。
この時期は人混みを避けることが一番の予防と言えるでしょう。
妊娠中から産後まで、気をつけたいウィルスをご紹介しました。
妊婦さんや赤ちゃんは免疫力が弱く、感染症にかかりやすくなります。
感染源になるものを避け、予防接種が有効なものは受けておくことが大切と言えます。