ひと言で夫婦・家族と言っても、その構成や就労状況含む環境はさまざま。
個人の性格や得意・不得意もあるだろうし、そんな中で家計管理の良し悪しは
ひとくくりにまとめられるものではないというのが、本当のところかもしれません。
ここでは一般統計から見えてきたことを基に、少し考えてみたいと思います。
家計管理における希望と実態
(2013年の調査結果より)
未婚男女の「結婚したら家計管理はどのようにしたいか」の希望は、「共同で管理」が42.7%でトップ。
でも結婚すると「共同で管理」が約1/3まで減り、「妻が管理」が51.6%、子供ができると「妻が管理」の割合は65.0%にまで増加しているのが実態。
まさにこれが結婚の理想と現実の一つ。
結婚前に「結婚後のライフプラン」まできっちり設計するカップルはあまりいないと思いますが、二人を取り巻く環境はこくこくと変化していくもの。その時になって関係が悪化しないよう、ある程度は基本方針を合わせておきたいですね。
具体的な管理方法
「あなたの家庭の家計管理は、どのタイプに該当しますか。」というアンケートの回答です。(2013年)
ここから見えてくるものは何でしょう。
妻あるいは夫が家計管理の主となるのは子供のいる家庭、共同管理が成り立つのは共働き夫婦ということでしょうか。
子供がいる家庭では、一時期どうしても出産・育児のために女性は収入がなくなります。そのまま専業主婦になる人もいるだろうし、仕事復帰しても元の収入をキープできる例は、現在の日本ではまだまだ希少です。
そうなると、結婚前に「共同管理」を希望していた人たちは、子供ができた時点で実態も変わらざるをえない・・・逆に言えば、子供のいない共働き夫婦は、結婚前の理想を維持しやすいのかもしれません。
「夫の管理」が2年連続上昇
(2014年の調査結果より)
調査結果によると、この2年ほどで夫が家計を管理する割合が5%増え、その分、妻が管理する割合が減っているようです。
これは何を意味するのでしょうか?
妻が大黒柱となり夫が「主夫」となるケースが増えた、あるいは管理が苦手が女性が増えて、几帳面な男性が増えた??
もっとも望ましいのは?
実際の管理は、得意な方がやるのが無駄がなく実利的ですよね。
でも、そのためには「夫婦の信頼関係」が不可欠。きちんと話し合い、双方で納得・合意が取れていることが前提となります。夫婦間じゃなくても、この世でもっとも恐ろしいのが、お金に関わるトラブルだからです。
どちらかに任せっぱなしは良くないと思います。
結婚したばかりの方には考えられないかもしれませんが、もしも離婚することになった場合の財産分与にも影響してくるので、
「結婚後に築く財産は共有財産。どちらが主として管理するにせよ、お金に関する事も夫婦で話し合い、実態を共有しておく」のが、もっとも望ましいのではないでしょうか。
夫婦別財布でも管理は一緒に
夫婦別財布の場合でも、生涯を共に過ごすつもりなら、やはりお互いの資産や負債については、ある程度知っておくことが大切です。
いざ大金が必要になった場合に、お互いのお金の事を全く知らないと、気付けばお互いに貯蓄がゼロで大慌て・・・(の末に大ゲンカ)ということにも。
また、財布の距離間は、夫婦の距離間にも大きな影響を及ぼします。
浮気、浪費、借金・・・延いては離婚問題に発展しますから、普段はお互いに口を挟まないようにしていても、節目節目ではきちんと話し合える関係を、築いておきましょうね。
※調査結果は、オリックス銀行株式会社による「家計管理に関するアンケート調査」より出典