生後一か月を過ぎると、赤ちゃんはママと他の人の区別がつけられるようになると言われています。ママの笑いかけに、微笑みを返したりする反応を見せ始めるようになるのもこのころです。
見えていないようにみえても、しっかりと見えていますから、赤ちゃんの目を見て笑いかけてあげることが、コミュニケーションになります。
赤ちゃんの記憶
新生児の手のひらに指を挟むと、その指をギュッと握りしめてくる反応を示します。
これは「把握反射」と呼ばれるもので、人が木の上で生活していた頃の、名残りとも言われているようです。
そして、これは母親から落ちないためのものと考えられているようです。
エントレインメント
ある研究によると、生後一週間ほどの赤ちゃんに、胎内音(動脈の血流音)を聞かせると、ほとんどの赤ちゃんが泣きやんだという結果が得られたそうです。
赤ちゃんは、ママのお腹の中にいた時の、穏やかな気持ちを思い出すのではないかと言われています。
赤ちゃんは、お腹の中にいる時から、耳が聞こえています。
動脈の音だけではなく、体内を直接伝わって来るママの声は良く聞こえ、まして怒った時の大きな声は良く伝わると言われているので、お腹の中の赤ちゃんを驚かせないように、妊娠中のママは気をつけてあげて下さい。
そして、生後数か月を過ぎると、ママが話しかけた時、赤ちゃんは手や足をしきりに動かす「エントレインメント」という反応を示し始めます。
この反応は、言葉を話せない赤ちゃんが、身振り手振りで答える精一杯の返事なのです。
母乳の匂い
私たちが想像する以上に、視覚と聴覚が発達している赤ちゃんですが,嗅覚はどうなのでしょうか?
生まれたての赤ちゃんは、口のわきを突かれると突かれた方向に首を回して、口を動かして吸おうとする「ルーティング反射」という動作をします。これは乳首を探す能力です。
更に、生後数か月もすればママの母乳の匂いを識別出来るようになり、母乳の匂いがすると、乳首を探すしぐさを見せ始めます。
赤ちゃんにもストレスがある
赤ちゃんの能力は、感覚面だけではなく、感情や情緒と言う心の内部にまで及びます。
人体の温度が測定できる、サーモグラフィを使って、ママが傍にいる時といない時の赤ちゃんの額の温度の変化を調べたところ、傍にいる時に比べて、傍にいない時の温度は1℃以上も下がったと言われていて、これはママの姿が見えない事で、赤ちゃんの気持ちが不安になっていることを表していると言われています。
このように、赤ちゃんにもストレスがあることが分かっています。
母と子の絆
新生児にとっての母親と言う存在は、何ものにも代えがたいものですが、幼年期における母と子の絆は、自己や他者への信頼を育てるので、将来円満な社会生活を送るための人間形成において、重要な意味があると言われています。
赤ちゃんは、まだ何も分かっていないと思われがちですが、そんなことはありません。
以上の事から、私たちが思っている以上に、赤ちゃんはたくさんのことを、目や耳や鼻で感じているのだという事を、理解してあげることが、大切なのだと思います。