生後5、6か月ごろになると、寝返りを始める赤ちゃんが、多いと思いますが、首が座る時期と同様に個人差もあるので、少しくらい遅れても、気長に見守ってあげることが、大切だと思います。
首が座ると、自由に首が動かせるようになり、寝返りの準備に入っていきます。
サルの赤ちゃんと人間の赤ちゃん
みなさんは、動物園などでサルの赤ちゃんを見たことがあると思うのですが、いつもママのお腹にしがみついている姿が、印象的だと思います。
それに比べて人間の赤ちゃんは、いつもママにしがみついて生活することはありません。
両手はいつも自由です。
この、自由に手を動かせるという環境が、人間の知能を発達させたと言う説もあります。
知能の発達と運動機能の発達
人間の知能に比べて、運動機能はかなりゆっくりとしたスピードで発達していきます。
例えば、生まればかりの赤ちゃんは自分の手や足さえ自由に動かすことは、出来ません。
生後3、4か月でやっと支えなしで自分の頭が支えられるようになり自由に動かせるようになります。(首が座る)
これで、うつぶせの状態でも顔をあげて、左右を見ることが出来るようになります。
ボトムリフティング
でも、まだ自力では腹這いになれない赤ちゃんは、どうやって仰向けの状態から腹這いになることを覚えるのでしょうか?
自分の足で遊ぶ赤ちゃんの腰のあたりをよく見ると、だいぶ床から浮いているのが分かると思います。
これは、ボトムリフティングという状態です。
この時、重心は上半身に移動して、横に倒れやすくなります。
それが何かの拍子で、左右どちらかに倒れると体がねじれます。
これが、寝返りの一歩手前です。
三次元の世界
こういった状態を何度も経験した赤ちゃんは、下半身のひねりと同時に、上半身も回るようになり、寝返りが出来るようになります。
腹這いになって、視点が変わった赤ちゃんは、まだ低い位置ではありますが、奥行きのある空間を目にします。
これで三次元の世界を知ることになります。
更にこの頃の赤ちゃんは両眼視も出来るようになり、遠近感もつかめるようになっているはずなので、自分自身と他の物との位置関係もより、はっきりとわかって来る時期だと思います。
寝返りをする時期は個人差がある
仰向けの状態から立ち上がる時、腹筋や腕を使いますが、それよりも一度腹這いになってから起き上がる方が、本当は楽です。
なので、赤ちゃんにとっても、寝返りは一人で立ち上がるための練習であり、準備期間なのです。
しかし、成長には個人差があります。
他の同時期に生まれた赤ちゃんは、もうとっくに寝返りをしてるのに家の子はまだだと悩むママも多いと思いますが、中には寝返りをしないでハイハイやつかまり立ちをする赤ちゃんもいるので、あまり心配せずに赤ちゃんの成長を見守ってあげましょう。