ベビ待ちしていても、なかなか良い結果がでない。
そんな時、「不妊」という言葉が頭をよぎります。
しかしどういうきっかけで受診をするべきなのか難しいところ・・・
パートナーと一緒にチェックし、見極めることも大切です。
不妊の定義とは
不妊かどうかの判断は、産婦人科や専門機関での診断がなければ、正確にはわかりません。
しかし一般的には、妊娠を意識しだしてから、1年間避妊をしない性生活を送っていても妊娠しない状況の時は、不妊の可能性を疑うようです。
不妊は女性側の原因と思われがちですが、そうではありません。
女性側のみの原因が約40%、男性のみの原因が約24%、男女ともに原因があり場合は約24%、またどちらともの原因が不明な場合が約11%となっています。
このことからも女性だけが不妊治療を始めても意味がありません。
パートナーと話し合い、一緒に原因を見つけるために病院へ受診し、原因に合った治療を行う必要があります。
女性不妊の原因
女性が不妊の原因だった場合は、子宮や卵子などの影響が考えられます。
排卵障害・卵管の閉塞、狭窄、癒着・子宮筋腫、ポリープ・子宮頚管の異常などが考えられます。
多くの場合は早期治療で不妊を克服することもできますが、中には原因不明の不妊ということもあります。
また30歳を過ぎた頃から、妊娠に対する機能が衰えていきます。
そのため35歳を過ぎた高齢妊娠にあたる年齢の方は、すぐに病院を受診し不妊治療を始めるようにしましょう。
男性不妊の原因
男性不妊の原因は、女性の様々な原因が考えられる場合と違い、精子の異常が原因になっていることがほとんどです。
精液の中に含まれる精子の数や運動量の低下、または無精子症が原因となっています。
精子の異常も治療や手術によって改善することもあります。
中には性機能障害といって、なかなか性交までたどり着けづに、タイミングが合わせられないといったこともあるようです。
男性も40歳を過ぎたあたりから、精子が衰退し老化していく傾向にありますので、高齢男性の場合も早めに受診するようにしましょう。
男女別セルフチェック
<男性>
【1】 子どもの頃、耳下腺炎(おたふくかぜ)などで高熱を出したことがある。
【2】 陰嚢に触れると、精巣(睾丸)が小さい、あるいは片方(1個)しかないようだ。
【3】 そけいヘルニアや停留精巣(睾丸)の手術を受けたことがある。
【4】 スリムジーンズやブリーフなど、いつも下半身にぴったりした衣服・下着を着けている。
【5】 ノートブックパソコンをいつも太ももの上に置いて使用する。
【6】 性感染症(クラミジア、淋病、梅毒など)にかかったことがある。
【7】 陰嚢から精巣(睾丸)を触れると、痛みがある、または熱っぽい。
【8】 喫煙の習慣がある。
【9】 異性に対して性的な関心(性欲)を感じない。
【10】 健康診断で高脂血症、高血圧や糖尿、その他の異常を指摘された。
<女性>
【1】 年齢35歳以上で、妊娠の経験がない。
【2】 体重が標準体重( BMI*注1)の範囲以上(肥満)、あるいは範囲以下(やせ)である。
【3】 ダイエットなどにより、急激にやせたことがある。
【4】 人間関係や仕事の精神的ストレスで体調が悪くなることがある。
【5】 月経周期(間隔)が不規則で、3カ月以上月経がないことがある。
【6】 基礎体温をはかっても、はっきりした高温相がないか、あっても7日間以下である。
【7】 経血の量が多い、あるいは少なくなったと感じることがある。または月経痛が以前より重く感じる。
【8】 性感染症(クラミジア、淋病、梅毒など)にかかったことがある。
【9】 下腹部の手術(虫垂炎、卵巣嚢腫、子宮筋腫など)を受けたことがある。
【10】 糖尿病、肝臓、腎臓、内分泌などの慢性疾患の持病がある。または既往歴がある。
不妊治療について
ここ最近の日本では10組に1組の割合で、不妊の悩みを抱えているそうです。
不妊の原因は様々ありますが、早期治療で改善できるものもあります。
妊娠を心待ちにしているのなら、ぜひ妊娠を意識しだしてから1年をめどに病院を受診してみましょう。
男女ともに、年齢を重ねるに連れて妊娠や出産のリスクが上がっていきます。
また不妊治療も長期にわたることもあり、精神面でも体調面でもかなり大きな負担がのしかかってくることになります。
不妊治療も若年の方が治療効果も期待できるので、自分の環境や状況を充分理解した上でスタートしてみましょう。