くる病とは?子どものくる病の原因・症状・治療法まとめ!

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「くる病」って聞いたことありますか?骨が変形してしまうという怖い病気なのですが、一昔前の病気と考えられていたこの病気が、近年再び赤ちゃんに多く見られるようになってきているそうです。ビタミンD欠乏症の一つで、大人より子どもがかかる病気です。どうしてくる病になってしまうのか、その原因とどのような症状が出るのかをまとめました。

くる病とは?

くる病とは、成長期の骨にカルシウムが沈着せずに軟化してしまい、骨の成長が止まってしまう病気。
その結果、O脚になってしまったりします。主に成長期の子どものみにみられる病気で、大人の場合は骨軟化症といい、くる病もその症状の一種。

骨は、カルシウムとリンが結合して固さを保っています。そして、その吸収に必要なのがビタミンDで、そのうちどれが欠けてもくる病になってしまいます。

ビタミンDに関係して様々な原因が考えられますので、詳しく説明していきます。

<ビタミンD欠乏性くる病>
実際に見られるのは、この種類のくる病がほとんどです。
食事から充分なビタミンDが摂れていない、また日光をあまり浴びないことによって体内でのビタミンDの生成ができておらず、ビタミンDが不足。

<ビタミンD依存性くる病>
ビタミンDが生成できていても、体内でビタミンDが働くことのできない状態になってしまい、くる病になる症状。

肝臓、腎臓の疾患によってビタミンDが活性化せず、働けない状態を作ってしまって起こるもの(Ⅰ型)と、ビタミンDの作用を細胞に伝えることができずに起こるもの(Ⅱ型)があります。

<低リン血性くる病>
リンは、通常の食事をとっていて不足することはほとんどありません。

血液中のリンの濃度を調整している腎臓の異常、またはリンの排出を増やすホルモンの異常な増加によって、血中のリンが不足してしまい、くる病を発症します。

くる病の原因と症状

くる病の原因とはいったいなんでしょうか。
ビタミンDが不足して起こるが直接の原因のようですが、特に近年、乳幼児に増加している原因としては下記が考えられています。

<乳幼児がなりやすい原因>
特に未熟児は体内のビタミンDが少なく注意が必要。また少数ですが、消化管の病気や遺伝による発症もみられます。以下が主な原因。
•母乳に含まれるビタミンDだけでは不足し、完全母乳を長く続けることで発症
•紫外線によるデメリットを重視するあまり、日照不足でビタミンDを生成できない
•アレルギー疾患のため、離乳食にビタミンDの多い食物を取り入れられていない

<くる病の症状>
骨の成長が阻害されることによってこのような症状が出ます。特に乳幼児は足に重圧がかかりやすく、O脚やX脚などの変形が大人よりも顕著にみられます。
•重度のO脚、X脚
•頭蓋骨が柔らかくなる、頭蓋ろう
•肋骨の一部がこぶのように膨らむ、胸骨念誦
•成長期でも身長、体重の増加が止まってしまう
•歯がくすむ、虫歯になりやすい
•血中のカルシウム不足による痙攣や手足のこわばり
•筋肉痛、筋力低下、骨の痛み

くる病になってしまった場合の治療法

X線検査などで医師にくる病ですよと確定診断されれば、まずは不足している栄養素の内服があります。
食事では間に合わないので、ビタミンD不足であればビタミンDを、カルシウム不足であればカルシウムをといった感じです。

骨の変形がある場合は、骨の矯正手術や固定が必要になります。変形が起こってしまう前に、早期発見早期治療が大事ですね。

日常では気づいてあげれないことも多いかと思うので、定期検診にはきちんと行きましょう。あれ?と思ったらすぐに誰かに相談してみましょう!一人でやきもきするよりいいですよ。
そして母乳育児の方は予防接種などで小児科に行った際、相談するといいかもしれません。

赤ちゃんをくる病から守るポイント

お子さんは母乳ですか?粉ミルクですか?
母乳には免疫力がつくなどいいところがたくさんあります。ミルクには必要な栄養素がギュッと入っています。

最近は完全母乳が推奨されていたのもあり、完全母乳を頑張っておられるお母さんが多い中、その一方ではミルクよりは栄養が偏ってしまっている可能性があります。

完全母乳育児されておられるお母さんは、好き嫌いせずビタミンDを多く含む食品、そしてカルシウムとリンもあわせて毎日取るように心がけましょう。

<予防に不可欠な食品>
ビタミンDを多く含む食品
•たまご
•魚類(鮭・うなぎの蒲焼・さんま・ひらめ・しらす干しなど)
•きのこ類(しめじ・干し椎茸など)

カルシウムを多く含む食品
•乳製品(牛乳・プロセスチーズなど)
•乾物系(桜えび・煮干・ひじき・切干大根など)
•野菜(モロヘイヤ・かぶ・小松菜など)

リンを多く含む食品
•たまご(とくに卵黄)
•魚類(しらす干し・するめ・いくら・たらこなど)

<サプリメントの活用>
母乳育児をしているお母さん自身にアレルギーがあってどうしても栄養に偏りが出そうなら、サプリメントを飲むなども考えてみてください。
ですがビタミンDは脂溶性ビタミンなので、取り過ぎるのも良くありません。食品から摂取する程度なら心配ありませんが、サプリメントでの摂取は過剰にならないよう注意が必要。

<日光浴をしましょう>
年々、紫外線の有害性は無視できないものになりつつありますが、日光不足も問題です。
ビタミンDは日光に当たることにより体内でも生成されます。
確かにあたり過ぎはよくありませんが、ぜひ1日20分ほど服を着た状態でいいので太陽に当たりましょう。

大人もぜひ一緒に日光浴してください。
ビタミンDの生成は骨粗鬆症や乳がんの予防にもなりますよ。

赤ちゃんをくる病から守るビタミンDとカルシウム

赤ちゃんは体内に蓄えられたビタミンDがあるので母乳育児だからといってすぐにくる病を発症することはありません。

生後6ヶ月になり離乳食が始まればぜひ積極的にビタミンDとカルシウムをあげてください。でもビタミンDが多くとれるたまごや魚はどうしてもアレルギーが気になってあとに回したいお母さんも多いかと思います。私もそうでした。なのでアレルギーの心配があるものは1歳過ぎてから始めました。

アレルギーが心配な方は、1歳をめどにアレルギー検査を受けてみるのもいいかもです。そのうえで、小児科の先生や栄養士さんに相談し何事もバランスをとりながら、安全に母乳育児を続けてくださいね。

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