8月。暑い夏。そして戦争と平和を考える季節です。とくに戦後70年、平和の尊さを親子で考えてみるのはいかがですか。でも、直接、戦争のお話を聞く機会はほとんどないですし、戦争体験のおじいちゃんおばあちゃんも少なくなってきています。そんななか甲子園では黙祷がありますし、テレビでも特集番組が放送されます。そんなことをきっかけに絵本や、児童書を一緒に読んでみたらいかがでしょうか。戦争の悲惨さを描いたたくさんの本がありますが、ここでは有名な5冊を選びました。読書感想文にも参考になる本です。暑い夏だからこそ、平和の大切さを伝え続けていきたいですね。
かわいそうなぞう

戦争って本当に悲しいことばかり。
有名なお話ですが、私が娘に初めて読んだときには、涙で声が出なくなりました。
当時4歳の娘、死ぬということが身近でなかったけれど、この本を通じて本当に命の尊さを感じることができました。
芸をすればエサがもらえるーー。最後の力を振り絞って芸をするシーンは、思い出すたびに胸が詰まります。
作「土家由岐雄」、出版社「金の星社」、1188円
ガラスのうさぎ

戦争は、人を殺し、殺される。殺しあうのが戦争。
でも、罪のない人たちまでも殺されてしまう悲劇、それが戦争です。
その悲惨な戦争を、少女の目で見つめ、考えています。
1945年3月10日の東京大空襲。東京は一面焼け野原になり、たくさんの人たちが逃げ惑い、死にました。
戦争に勝った負けたはありません。溶けてしまったガラスのうさぎの置物が、如実に語っています。
高学年向き。
作「高木敏子」、イラスト「武部本一郎」、出版社「金の星社」、648円
火垂るの墓

戦争で犠牲になるのは、つねに弱い女性や子どもたち。栄養失調や病気で亡くなる子どもたちもたくさんいました。
この「火垂るの墓」は、アニメにもなりましたから、多くの方がご存知だと思います。兄妹で必死に逃げるものの、最後は悲しい結末です。
幼児向けのアニメの絵本から、高学年むきの読み物まで、そろっています。
いまでも世界各地で紛争が起こり、飢餓や旱魃で、いのちが危機にさらされている子どもたちもたくさんいます。
親子で平和とは何か、豊かな日本で考えてみることも夏の宿題です。
作「野坂昭如」、出版社「徳間書店」、1728円
猫は生きている

こちらも東京大空襲の本です。ガラスのうさぎよりも少しやさしいストーリーですが、戦争の悲惨さをするどく告発しています。
少年の目から見た、そのままの悲劇、そして必死に生き延びたネコ。多くのことを考えさせられる本です。
作者の早乙女勝元さんは、東京大空襲の体験者で、戦争や平和のたくさんの本を出しています。ぜひ他の本も、親子で読んでみてはいかがですか。
作「早乙女勝元」、出版社「理論社」、1620円。
ひろしまのピカ

最後は、原爆の本。有名すぎると思いますが、こちらの「ひろしまのピカ」を取り上げます。
1945年8月6日午前8時15分、人類で始めて使われた原子爆弾。一瞬に何万人もの人々を焼き殺し、放射能の後遺症でいまなお苦しむ被爆者がいます。
作者は丸木さん。夫妻で広島で被爆をして、戦後も厳しく戦争犯罪を告発しながら、原水爆禁止・核兵器廃絶の運動をしてきた方です。
この本は、まさに「地獄絵」そのもの。科学の進歩は平和な世の中で使ってほしい。そんなことを考えてみませんか。
作「丸木俊」、出版社「小峰書店」、1620円