最近、育児に積極的に関わるお父さんのことを「イクメン」と呼ぶようになっています。イクメンのお父さんがいれば、お母さんの家事育児はラクになりますし、子どもは毎日安心して過ごすことができるようになります。では、どうしたらイクメンパパになれるのでしょうか…大事なことは、自分にできることを、小さな一歩から。です。
お母さんと違った立場で見ることができる。
赤ちゃんの頃子どもはほとんどお母さんと2人の世界にいます。その世界を徐々に広げて、いろいろな人との関係を築いていくために、お父さんは重要な役割を果たします。
お父さんは、お母さんと子どもだけの関係をゆっくりとほぐして、子どもの中に、お母さん以外の人を信頼する気持ちを育てていくという大きな責任を担っているのです。お父さんとの信頼関係がしっかりとしていれば、お母さんが病気になったりしたときなどに、子どもが不安になったり、戸惑ったりすることもないでしょう。
そして、お父さんには、お母さんとは違った角度から、客観的に子どもをみられるという強みがあります。毎日一緒にいるお母さんには、近すぎて見えないことが、離れたところにいるお父さんには見えることがたくさんあります。
お父さん、お母さんそれぞれの立場から子どもを見ることで、親の視野も広がるし、子ども自身のものの見方、考え方などを柔軟にすることにも役立ちます。
「お父さんができること」「お父さんにしかできないこと」はたくさんある
お父さんの得意な分野で子どもの相手をしてあげましょう。スポーツでも、趣味でも何でもいいです。そのあいだ、お母さんは家事をしたり、息抜きしたりすることができます。いつも一緒にいるお母さんとは違うお父さんの姿を見て、人間にはいろいろな役割や仕事があるということを知ることもできます。
そして、子どもに「強さ」を見せてあげて下さい。いざというときに、毅然とした態度がとれる、あるいは何か事が起きたとき、命を張ってでも子どもを守るという意味の「強さ」です。
そういうお父さんの姿を見せることが、お父さんにしかできない育児でもあります。
まずは自分でできること、小さな一歩から始めてみてください。
お母さんはお父さんへの不満やグチを決して子どもにぶつけない
お母さんが夫であるお父さんのマイナスのイメージを子どもに植え付けてしまうと、お父さんなりに育児にかかわって、子どもとの信頼関係を築こうと努力しているのに、それを壊してしまうことになります。
お母さんにどんな不満があっても、子どもにとっては大好きな大事なお父さんです。
お父さんについてマイナスなことは決して子どもには言わないで下さい。
お母さんがお父さんを否定的にとらえていると、子どもはお父さんを信じられなくなってしまいます。
仕事で子どもとの約束が守れなかったり、帰りが遅かったりしたとき、それは家族のために一生懸命働いている父さんの姿を子どもに伝えるチャンスです。子どもに父親の本当の姿を伝えることができるのはお母さんだけです。
お父さんとお母さんは共通の価値観を持って
お父さんとお母さんが2人で一緒に子どもをしかったり、片方が注意したことをもう片方が重ねて注意するということは避けて下さい。子どもに2倍のプレッシャーがかかってしまいます。
とはいえ、一方が叱っているのにもう一方が「そんなことで叱らなくてもいいじゃないか」では困りものです。お父さんとお母さんの子育てに対する考え方が違っていたら、子どもは戸惑い、混乱してしまいます。
夫婦は、子どもへの関わり方はそれぞれ違っても、子育てに対する基本的な考え方や価値観は一致させて下さい。
そうすることで子どもは、お父さんとお母さんのいうことを安心して聞くことができます。
お母さんの話をしっかり聞いてあげる。
お母さんが、お父さんが子育てに協力してくれていると感じられるか感じられないかは、夫婦のコミュニケーションにかかっています。
つまり、実際には子育てにそこまで協力していなくても、お母さんの話を聞いてあげているかどうかによって、お母さんの感じ方は大きく変わってきます。
ことばに出さなくとも、話しかけると面倒そうにしたり、返事をしてくれなかったりしたら、なぜ、自分だけがこんな思いをしなければならないのかと、子育ての辛さが倍増してしまいます。
しかし、お父さんが育児の大変さが分かってくれている、それなりに評価してくれている、相談にものってくれていると感じられれば、お母さんは育児を負担に思わず、ストレスや不満もたまらずにすみます。
普段から、「妻の話をほんの少し聞いてあげる」ことから始めてください。