産後に多い悩みの1つである『抜け毛』。産後3ヶ月くらいから急に抜け毛が増えてきたと実感する方も多く、大部分の経産婦さんが経験しています。「産後脱毛症」や「分娩脱毛症」とも呼ばれ珍しい現象ではありませんが、今回はその『産後抜け毛』の原因や対策などをご紹介します。
産後抜け毛の原因は?いつまで続く?
■原因■
産後の体の変化の一つとして、産後2~3ヶ月頃から急に髪が抜け始めるということがあります。
産後脱毛症や分娩後脱毛症と呼ばれており、身体の衰えからくるものではなく、女性ホルモンが原因といわれています。
女性らしく成長させる「エストロゲン(卵胞ホルモン)」 、妊娠を継続するための「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2種類の女性ホルモンが増加します。
この女性ホルモンが増えると髪の毛が抜けにくくなるため、妊娠前より体毛が濃くなったり髪の毛が増えたと感じる妊婦さんも多くいます。
それが出産するとこの女性ホルモンが一気に減少するため、妊娠中に抜けていなかった髪の毛が抜けてしまうのです。
本来、妊娠中に抜けるべきだった髪の毛が抜けるだけなので異常なことではないのですが、一気に抜けるために一時的に髪の量が減ってしまいます。
■いつまで?■
女性ホルモンの分泌量や生活習慣で個人差はあるものの、産後6ヶ月から遅くとも産後1年くらいまでには妊娠前の状態まで戻ると言われています。
※ただし、1年経過しても回復が見られない場合はかかりつけ医などに相談してみましょう。
【対策1】バランスのいい食事
毛髪は血液中から栄養分を取り出し、毛髪生成のエネルギーとしています。食事のバランスが崩れたり、栄養が十分に取れていないと、髪が作られなくなり薄毛の原因となります。
特に母乳育児をしている方は、母乳に栄養分を取られてしまう為、より意識的に栄養分を摂取しなければなりません。
①カルシウム
牛乳や小魚に含まれ、髪にツヤとコシを与えます。
②タンパク質
肉、大豆、卵などに含まれ、毛髪の原料となります。
③ミネラル
わかめやひじきなどに含まれ、健康的な髪を育てます。
④ビタミンB
豚肉、レバー、大豆、まぐろなどに含まれ、頭皮の環境を調えます。
【対策2】質のいい睡眠
赤ちゃんが小さいと、夜中に授乳などで何度も起きてしまわなければならず、どうしても寝不足になりがちですよね。
しかし、睡眠時間が短いと細胞の活性化が行われず、頭皮への栄養が行き届かなくなってしまいます。
理想の睡眠時間は7時間以上ですが、7時間未満だと抜け毛がひどくなる傾向がみられるようです。
なかなかまとまって睡眠時間を取ることは難しい場合もありますので、昼間に赤ちゃんがお昼寝した時、少しでも一緒に寝るように心がけてください。
毎日の積み重ねが大事ですよ。
【対策3】頭皮マッサージと育毛剤
育毛剤というと男性のイメージが強いですが、最近では女性用の育毛剤も増えてきています。
女性用は自然素材を使った、頭皮に優しいものが多いため、妊娠中や授乳中でも安心して使えますよ。
育毛剤を使用するときに、あわせて頭皮マッサージをして頭皮の血行を促進するとより効果が期待できます。
【対策4】適度な運動
頭皮も身体の一部ですので、ストレッチや散歩などの適度な運動をすることで頭皮の血行促進につながります。
毎日の赤ちゃんのお世話でなかなかまとまった運動の時間を取ることは難しいですが、少しの空き時間に肩甲骨周りや腰のストレッチなど取り入れてみてください。
頭皮環境をよくするだけでなく、肩コリや腰痛対策にもうってつけです!