家族で焼き肉店へ行ったり、自分たちでするバーベキューをしたり、
子供も大人と同じように、同じものを食べる機会があります。
しかし、もともとお肉には解体処理時などに、
内蔵や表面に菌が付いていることがあるので、
よく焼いて食べる必要があります。
大人は大丈夫でも、子供はまだ免疫力が完全でないため
少しの病原菌でも重篤な細菌性胃腸炎を起こすことがあります。
菌のことをよく知って、安全に楽しくお肉を食べてもらえればと思います。
生の牛肉 【腸管出血性大腸菌】
O(オー)157 やO111など、報道でよく聞く言葉ですが、
これは腸管出血性大腸菌とよばれる、食中毒を起こす菌の仲間たちです。
ほんの少しの菌が体内に入っただけでも、発熱・下痢(血便)・腹痛などを
引き起こし、重症化すると溶血性尿毒症症候群や脳症という状態になったり、
最悪の場合は命に関わることもあります。
生レバーにも菌が存在していることが多いため、
子供には食べさせないことです。
生の鶏肉、牛肉、豚肉【カンピロバクター】
この菌は主に鶏肉が問題になりますが、発熱・下痢(粘液性、血便)、
腹痛などを起こし、脱水症状があらわれることもあります。
表面が焼けて、中心部はまだ火が通っていない肉を食べることで
感染することが多いようです。
このため焼き鳥店などでも、食中毒が起こることがあります。
生の牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉【サルモネラ菌】
動物の腸管に存在する菌のため、様々な動物から検出されます。
発熱・下痢・腹痛・嘔吐などの症状があらわれ、
重症化すると意識障害やけいれんなどの中枢神経症状や
脱水症状があらわれます。
一度感染すると、保菌者といって体内に長期間にわたって
菌が住みつくことがあります。
汚染された鶏卵によっても感染しますが、
スーパーなどで購入する卵は消毒されており、ほぼ安全です。
ですが、生卵を食べる場合は、新鮮なものに限ります。
生の豚肉、猪肉、鹿肉【E型肝炎ウィルス】
最近、ジビエ料理といって猪や鹿などの野生鳥獣を
調理して食べることがありますが、これらの動物を生で食べると
E型肝炎ウィルスに感染し、妊婦では劇症肝炎となることがあります。
また、寄生虫なども存在する場合があります。
子供が安全にお肉を食べるためには
まず、生肉は食べさせないことです。
大人は大丈夫でも、子供にとっては命取りになることがあるかもしれない
危険な行為だという認識が必要です。
多くの菌は、75度、1分以上の加熱で死滅するので、
例えばハンバーグの場合、表面が焼けていても中火でフライパンに
蓋をして蒸し焼きにし、中心部まで火が通るように調理します。
屋外でのBBQでは、お肉に火が通っているかどうか
大人が確認してから子供に食べさせてください。