子供を主人公にした映画は星の数ほどありますよね。あの名作、この秀作、どれこれも素晴らしい…。
そして自分の子供を持った今、改めて観ておきたい映画があります。既に観たことのあるものでも、今ならまた違った発見があるかもしれない。
子育て中にぜひ観ておきたい映画のオススメをご紹介します。号泣必至なので、ハンカチとティッシュの用意を忘れずに!!
「リトルダンサー」(Billy Elliot, 2000年、イギリス)
1980年代イギリス北部の貧しい炭鉱町で暮らす、音楽やダンスが大好きなビリーが、周囲の無理解と反対に会いながらも大好きなバレエをあきらめ切れず、やがて才能を開花させていくという、少年の成長物語。
ビリーのバレエへの情熱を全く理解しなかった炭坑夫の父親や兄との確執ときずな、ビリーの才能を見抜き支援する町のバレエ教師、最後には協力者となってくれる炭鉱労働者達…子供って、様々な人達と関わり合って成長していくんだな、と改めて感じさせてくれる作品です。イギリスらしいユーモアやウィットが随所に散りばめられているのも見どころのひとつ。
「アバウトアボーイ」(About a Boy, 2002年、イギリス)
父親の遺した印税収入で仕事もせずに気ままに一人暮らし、色んな女性と次々と付き合ってはすぐ破局、というパターンを繰り返しているウィル。「重い関係」が面倒なウィルはある日たまたまシングルマザーと出会い、その気楽さに味を占め、自分も「シングルファーザー」と偽って、一人親が集まる会合に出会いを求めて参加するが…。
精神的に大人になれないダメ男のウィルが、母親と二人暮らしで自分に自信が持てない少年マーカスと出会い、奇妙な交友関係を続けていくうちに、互いに成長し二人を取り巻く人々とも絆を深めていくというヒューマン・ドラマです。
時には友達であり時には兄弟か親子のような二人の関係を見ていると、「家族って色んな形があっていいんだな」と素直に思える良作です。
「未来を生きる君たちへ」(Hævnen, 2010年、デンマーク)
原題はデンマーク語で「復讐」という意味。文字通り、復讐と報復、そしてその無益と空しさをテーマにした作品です。
当たり前のように日常に潜む人間の悪意。しかしそれに対する復讐や報復は何も生み出さない、更なる憎しみへの連鎖となるだけ…ということを自らの身をもって息子に伝えようとする父親。
決して「観ていて楽しい」映画ではありませんが、誰しもが経験する人間の心の有り様を様々な角度から捉えた、考えさせられる作品です。邦題のとおり、これからの世界を生きる子供達に何をどのようにして伝えていったら良いのか、これをきっかけに考えてみませんか?
「ポネット」(Ponette, 1996年、フランス)
母親の死を受け入れられないたった4歳のポネット。周囲の大人達はあの手この手で「死」というものをポネットに理解させようとしますが、ポネットはますます自分の殻に引きこもるばかり。どうにかして母親を取り戻そうと、幼い頭で一生懸命考えるのです…。
「もしも今自分が死んでしまったら、この子は…」と思わず我が子を見つめて涙してしまうような作品。「この子のためにも、私は頑張らなきゃ!」と改めて思ってしまいます。
ラストの母親のお墓でのシーンは、誰の目も気にせず思いっきり号泣して下さい!
スタンド・バイ・ミー(Stand by Me, 1986年、アメリカ)
巨匠スティーブン・キング原作、それぞれ心に傷を持つ4人の少年たちが、好奇心と探求心に動かされて線路づたいに“死体探し”の旅に出るというひと夏の冒険を描く、不朽の名作です。
この映画に「大人」はほとんど登場しません。子供の頃の自分を振り返ってみて、その頃自分が思っていた「世界」もこんな風だったなあと懐かしく感じるところが多いのではないでしょうか。
日頃「大人の視点」ばかりで子供達を見てしまっていることを改めて反省し、頼りないながらも自分の力で歩いていこうとする彼らを大切にしたいと思わされる作品です。