三歳までの子育てが重要!?「三歳児神話」に振り回されないで!

2,669 views

「三歳までは母親が子育てに専念すべきだ」という、いわゆる『三歳児神話』。

母親なら誰もが気になる言葉ですが、すでに合理的根拠がないとされ否定されています。ではなぜ『三歳児神話』が長い間語り継がれてきたのか本当に大切なものは何なのかを考えてみました。



三歳児神話とは…

そもそも三歳児神話とはどういうものなのでしょうか。
子どもの成長にとって3歳までが非常に重要だとされ、この時期には生来的に育児の適性を持った母親が養育に専念しなければならない。これが十分に満たされなかった場合子どもが寂しい思いをすることとなり、将来にわたって精神的成長に歪みをもたらすと言われていました。これが三歳児神話です。
これは10年以上も前に「合理的根拠がない」と否定され、その後の追跡調査で、一定の基準を満たした保育園での生活時間の長さと子どものコミュニケーションや運動能力には、ほぼ因果関係がないと公表されました。
しかし、「三つ子の魂百まで」という言葉があるほど、三歳までの育児が非常に重要なのは言うまでもなく、多くの母親がこの三歳児神話に振り回され、重く圧し掛かっているのです。

3歳までに育まれるべきもの

幼少期の大切さは一言で言うと「愛」を知ることです。親から愛されて他者を信頼する心を育み、他者から愛されて自信を持つことができます。そして基本的信頼感が育まれ自分自身も自分が生きる世界も信頼できるようになります。大人に愛され認められることで、自分は大切な存在で生きている価値がある、必要とされているんだと思えるようになります。これらは自己肯定感と言われます。
3歳までの基礎性格はいわば人生という大木の「根」のようなものです。自己肯定感が高ければそれを土台として自分の人生を前向きに生きていくことができ、自分と同時に他人も大切にする思いやりを持つことができるようになります。
この土台が出来上がるのが3歳頃だと言われ、「三歳児神話」や「三つ子の魂百まで」という考え方が出てきたのが理解できます。

どうして母親だけ?

では、なぜ「母親が専念すべき」なのでしょうか。
それはただ単に、子どもはお母さんが大好きだからです。10か月もの間お腹の中で一心同体でいて、命がけで産んでくれた母親に100%依存しています。特に3歳までの乳幼児にとっては母親が全てなのです。だから、母親とのスキンシップや関わりが重要とされるのです。そんな大好きなお母さんに愛され認められることが子どもにとって一番の喜びとなり自己肯定感が高まります。このようなことから、「三歳児神話」=「母親」とされた理由も分かります。
しかし、自己肯定感を高められるのは母親だけとは限りません。もちろん父親にだって高められますし、もちろん保育園の先生に褒められるのも子どもは大好きです。
一日中お母さんと一緒にいられなくても、一日のどこかで母親の愛を感じられることで自己肯定感は高まっていくのです。

保育園と家庭保育どちらがいいの?

保育園に早くから通うことで社会性は早いうちから身につけることができます。お友達と喧嘩したり仲直りしたりすることで、相手の気持ちを考えたり思いやりを身につけていくでしょう。保育園にいる間は自分のことは自分でやるし、トイレだってご飯だって自分でできるようになるのは早いかもしれません。
家庭保育を行っているお母さんがこのような子どもたちの姿を見ると少し焦ってしまうかもしれません。
うちの子はトイレもまだできないし、ご飯だってきちんと食べられないし、着替えだって一人でできないし…と、保育園に行っていないわが子をかわいそうに思うかもしれません。
一方、子どもを保育園に預けて働いているお母さんは、日中お母さんと手をつないでニコニコ笑いながら歩いている子どもを見ると、一緒にいてあげられないわが子をかわいそうに思うかもしれません。
保育園ではきちんと先生の言うことを聞いて何でもできる子どもも、家に帰るとお母さんに甘えてご飯だって食べさせてもらうし、トイレだって一緒に行っているかもしれません。
結局は保育園と家庭保育どちらがいいかなんて無いものねだりなのかもしれませんね。

まとめ

「三歳児神話」とは、子どもにとって母親が一番で母親との情緒的な絆がその子の一生を決めるという観点からみるとその通りだと言えます。
しかし、母親だけがその責任を負う必要はないのです。
一緒にいられる時間にお母さんが笑顔でいてくれるだけでも、子どもは十分に愛されていると感じることができます。そうやって自己肯定感は高まっていき、しっかりとした人生の土台が出来上がっていきます。
だから、家庭保育をしているお母さんも、保育園に預けて働いているお母さんも「三歳児神話」に振り回される必要なんてありません。自信を持って子どもと向き合ってあげましょう。

こんな記事も読まれています