年々増加し今や5人に1人が帝王切開による出産

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年々増加傾向にある帝王切開による出産。医療機関がトラブルを避けて採用するケース、また、高齢出産が増えたも要因と言われています。あらためて、帝王切開による出産のメリット・デメリットを考えておきましょう。



年々、帝王切開による出産数が増えている

日本で「帝王切開」により出産した人は、2011年の統計では、総出産数104万人のうち19.2%にあたる約20万人と言われています。
この20年でおよそ2倍に増えていて、今や赤ちゃんの5人に1人が『帝王切開』で産まれてきています。

帝王切開とは

帝王切開とは、母体や胎児に何らかの異常や問題があり、自然分娩が困難だと診断された場合に、腹部子宮を切開し胎児を取り出す手術で、赤ちゃんやママが危険だと判断されるトラブルに見舞われたり、前置胎盤や重度の妊娠中毒症など、医学的な必要性があるときに行われます。
かつては「伝家の宝刀」ともいわれ、めったなことでは使用されない出産法でした。

なぜ帝王切開が増えているのか

高齢出産ではトラブルのリスクも高くなるため、それを避けるためにあらかじめ帝王切開を選択することも多くなります。
高齢(医学的には35歳以上)になると子宮口や腟壁の柔らかさが低下し、赤ちゃんが通り抜けられる大きさに広がらない場合があり、帝王切開が選ばれることがあります。35歳未満と35歳以上の妊婦さんを比べてみると、帝王切開の実施率には2倍以上の差が出るとも。

帝王切開による出産のメリット

【赤ちゃんの命を守る】
帝王切開は母体に負担のかかる手術ですが、赤ちゃんに対する安全性の向上が一番のメリット。
経膣分娩が不可能な場合や、経膣分娩では危険性が高い場合でも、帝王切開によって命を救うことができます。
重度の妊娠中毒症などの問題があっても、ママと赤ちゃんへの負担を最小限におさえながら出産することが可能です。

【出産準備が可能】
予定帝王切開にした場合、出産の日を事前に決定できるので入院準備も、心の準備もしっかりできます。
破水などの不安を抱えることなく前もって、スケジュールをコントロールして出産に妊婦が望めます。

帝王切開による出産のデメリット

【母体の回復に時間がかかる】
開腹手術ですので、手術後は10日から2週間ほど入院が必要になります
帝王切開による出産は、経膣分娩に比べ、母体の回復が大幅に遅くなりますし、傷の回復には個人差があり、ひどい場合には入院が長引くこともある。

【感染症のリスク】
子宮や腹壁の縫合部分に細菌が侵入して術後1週間位して傷が開いてしまったり(感染による縫合不全)、子宮の中に細菌が増えて子宮内膜炎を起こしたりする可能性があります。術後合併症として再出血(縫合不全)、感染、血栓症(肺塞栓症)、術後癒着(腸閉塞)、麻酔に伴う合併症などがあります。

【次回以降も帝王切開になる】
第一子を帝王切開で出産した場合の殆どが、次以降の出産も、帝王切開となることが多いようです。
二人目を自然分娩でと希望する場合は、赤ちゃんが大きくなりすぎないようにする等、妊娠中の自己管理をより徹底する必要があります。

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