小さい子供にありがちな関節の脱臼について知ろう。

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何かのきっかけで、お子さんが腕をだらーんとさせて泣き始めた。いわゆる「腕が抜けた」状態は小さい子にはよくあることなのですが、いきなり発生する事態なので急なことに親も慌ててしまいがちです。そんな急な事態にいったい慌てないために事前に知識を入れておきましょう。

腕が抜けるってどういうことなの?

関節の脱臼、正確には「肘内障(ちゅうないしょう)」と言います。
手を回旋する動作に重要な役割を果たすひじの関節のところには、輪状靭帯と呼ばれるわっかの形をした靭帯があります。
大人であればそう簡単にこのわっかから骨がずれたりすることもないのですが、小さいお子さんだと軟骨成分が多くてそのわっかの輪状靭帯も柔軟なので、強く引っ張られたりすることでずれてしまうことがあります。そうすると肘がだらーんと動かなくなってしまうんですね。
ちなみに脱臼というと肩の脱臼をイメージされる方も多いですが、実際には小さいお子さんの肩の脱臼は稀でこの肘内障という状態のことがほとんどです。

お子さんが愚図ってしまって、無理やり引っ張った。
子供同士で遊んでいる時に、引っ張ってしまった。
など、色々なシーンやきっかけで肘内障になることがあります。急に泣き出して腕をだらーっとしているので、親も慌ててしまいますが大丈夫。肘内障は病院ですぐに治してもらえますよ。

病院を受診しましょう。

お子さんがどうやら肘内障のようだ、と分かったら必ず病院を受診しましょう。
整形外科のある病院であれば間違いありません。
もし診療時間外の時間帯であれば地域のルールがあればそれにしたがって受診先を探しましょう。
お子さんはずっと泣いているかもしれません。子供に泣かれると親は焦ってしまうものですが、落ち着いて電話を。

我が家でも子供が肘内障になったことがありますが、子供同士の遊びのなかでおこったことだったので肘内障か確信がなかったため、一度「#8000」へ電話しました。#8000は病院を受診すべきかどうか迷った時に電話する「小児救急電話相談」です。
現在の状況を説明して、受信したほうが良いかどうか相談に乗ってくれますので、迷ったときは電話してみてくださいね。

とはいえ、肘内障は自分では治せないので見てもらう必要がありますから、病院へ行きましょう!

http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/13shounichunaishou.html

病院ではどんなことをするの?

病院へ行くと、まずその時の状況を確認されます。
明らかに「ひっぱった」後で泣き出したというエピソードがあり、バンザイなど、腕が上げられないようであれば「肘内障」ではないか、という診断になります。
肘内障ではなくて腕が痛い(骨折など)場合もあるので、腫れや傷などがないか、などを確認されると思います。
肘内障であれば、肘をはめてもらって終わりです。びっくりするくらい一瞬です。
その瞬間で痛みも治るので大泣きしていた子供が急に元気にしゃべりだす、なんてこともあります。
はめても泣き止まない場合なども、たいてい10分くらいすると腕を動かし始めます。
それでも泣き止まない場合などは別の原因の可能性もあるので、必要に応じてレントゲンを撮ったりします。

https://www.med.or.jp/clinic/kega2010_hizigahazureta.html

自分で治せる??

先生がやっているのを見ると、一瞬のことなのでなんだか自分でも治せそうな気がします。
我が家では一度肘内障をしてからその後は繰り返したりしていないのですが、なかには癖になって繰り返してしまうお子さんもいるそうで、実際甥っ子は癖になってしまっていて、特に引っ張られてもいないのに肘内障になってしまったことがありました。
そんな時、つい自分で治せればなぁーなんて思ってしまいがち。
実際、コツが分かれば出来るらしいのですが、場合によっては悪化させてしまう事もあるので、病院へは行くようにしましょう。

治った後、遊んでいる姿を見ていつもと変わらず腕を使えているようだったら大丈夫。
もう普通に過ごしてお風呂にも入っても大丈夫です。

http://dandy310.com/archives/480

肘内障かな?と思ったら。のチェックポイント!

もしや肘内障?と思ったら、まず、この3つのポイントを確認してください。

①痛がる前に腕を引っ張ったりしたか? 
②腕をダランとさせ、ずっと動かさないか? →ばんざいが出来ないか?
③ずっと痛がり、泣き止む気配がないか? →泣き止んでもすぐにまた泣き出すを繰り返したりします

この症状があったら、肘内障の可能性が高いです。迷わず病院を受診してください。
①の腕を引っ張る、がなくても転んだ拍子に腕をついたときや腕を振り回したりした時などのちょっとしたきっかけで肘内障になることもあります。
そうした場合にも②と③を確認してみてください。
お子さんがけがをしたり具合が悪くなると親は動揺したり慌てたりしてしまうものですが、なるべく落ち着いて対処するようにしましょう。

http://dandy310.com/archives/480

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