子供の事故の予防と救急アドバイス。万が一に備えて!

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交通事故や海の事故。あってほしくない事故ですが、万が一に備えて、救命救急の知識を少しでも身につけておけば、いざというときに役に立つことがあるかもしれません。近所で交通事故が起きたときに、ぜひ積極的に、救急隊が到着するまで救急措置をすること、家庭内でもやけどや転落などのときに、パニックにならずに適切な対処ができますよ。実際に止血法が役立ったこともあります。保育士をしていたときにも毎年、講習がありました。怖がらずに、知識として知っておいてくださいね。



事故では頭を動かさない

交通事故でも家庭内での事故でも、頭を打っている場合、動かさないでください。
嘔吐があれば、口を横に向けて、吐瀉物でのどを詰まらせ窒息させないように介助。ただし意識がないときは声を掛け続けてください。
交通事故では胸を圧迫されていることも考えられます。その場合、一気に胸に空気が入ると、急激な気圧差で肺胞がつぶれてしまうことがありますので、胸を苦しそうにしていたら服を脱がせえて状態を確認。出血などが見られなければ障害物をゆっくりと動かしてみます。
大人と子供と同じ対応ですが、特に子供は頭が重い(体の割りに、頭が大きい)ので、頭のケガ、耳からの出血の有無を早期に確認しましょう。

水難事故 ~ 呼吸の確保と心臓マッサージ

夏を中心に、海へ遊びに行ったり、大きなレジャープールで楽しんだり。しかし、必ず毎年、悲しい海の事故が起こります。
大人は、強風下でのサーフィンや、飲酒後に海に入ったなどの無謀、急性の心筋梗塞などもありますが、子供には起こりにくい。一方で、寝不足や体調不良などによる痙攣、無理して沖まで浮き輪で行ったなど、本当に不慮の事故も多い。ぜひ準備体操をして、無理をせずに陸に上がりましょう。
とにかく意識がないときは気道の確保。水を吐かせることは分かっていても… 小さな子供なら逆さにするのもひとつ。あとは背中、それも背骨をたたくと、肺に入っていた水が吹き出てきます。
脈がないときは併せて心臓マッサージも。

やけど ~最近多いのはIH

子供のやけどの原因は、以前は沸いたお風呂・ストーブやこたつの低温やけどが多かったのですが、最近は、オール電化の家が増えたこともあって、キッチンでのやけどは、火がついているのが見えないIHクッキングヒーターに触ってしまうことだそうです。
注意することにこしたことはないのですが、もしやけどしたら、冷水で冷やすのが、今も昔も王道です。できれば氷水が良いですね。
怖いのは水ぶくれと感染症、そして広範囲の大やけどの場合は脱水です。とくに皮膚面積の少ない赤ちゃんは、小さなやけどでも、水ぶくれができたりしたら抗生物質を処方してもらうくらいの備えが必要です。
とにかく大きなやけどでも、ちょっとしたやけどでも水をかけ続けることが大切です。

誤飲 ~ 吐き出させる時間が勝負

泣いていた子供が急におとなしくなった ・・・ もしやと近づくと青ざめた顔に、呼吸が荒い。
気管に異物が入り込むと、普通はむせ、排出しようと咳き込むますが、喉の上の方、喉頭に入ってしまうとなかなか自分では吐き出せません。
もちろん喉から気管に入り込む危険性もありますが、小さなお子さんなら喉頭で止まっていることがあります。
まずは背中、それも肩からやや下の背骨を強くたたきます。逆さに宙りにするのも時には必要です。とにかく時間が勝負です。背中をぽんぽんたたくだけではだめ。前からも後ろからも強く叩きます。前から叩くところは、みぞおちの辺りです。
タバコや親の薬を飲み込んだ場合は、胃洗浄が必要です。吐かせるとその分粘膜を傷つける危険もありますので救急車を手配してください。
親の注意で誤飲は100%防げます。赤ちゃんは舌で物の形を確かめます。何でも口に入れます。昨日できなかったハイハイが今日できるかもしれません。危険予知にアンテナを張りましょう。

パニックにならず、外出先ではAEDにも手を伸ばして

交通事故、意識がない、溺れた ・・・ 遭遇したくありませんが、万が一のときのために知識として知っておくだけでもパニックにならずに、命を救うことができるかもしれません。
あと知っていただきたいのが、AED(自動体外除細動機)。最近急激に、設置箇所が増えてきました。
AEDなんて無縁、難しいと考えず、心臓が正しく動かなくなり、血液を正常に送り出せない。心臓のポンプを直す機械です。
子供は小さな衝撃でも、たとえばボールが当たっただけでも、またスポーツ中に急激に心室細動が起こりかねません。溺れる原因も心臓異常が原因の場合も多いので、脈が正常でなければ、躊躇なくAEDを使ってください。
実は私、マラソンの現場で大人の方にですが使っているのを見たことがありますが、説明の音声も流れますし、医学的知識がなくても、服を脱がせ胸に電極を張れば操作できます。
子供用の電極パッチもありますが、見当たらなければ大人用を使用してもOKです。
注意するのは、強力な電圧ですので、電圧をかけるときには、措置を受けている人から離れることです。

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